藤藪  詩歌管弦 2023

作品ではありません。ノート、備忘録。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

与謝野晶子

その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな 清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君 ・・・ 白桜集 1942年 我れのみが長生の湯にひたりつつ死なで無限の悲しみをする 晶…

俵 万智 「サラダ記念日」

黙ののちの言葉を選びおる君のためらいを楽しんでおり また電話しろよと言って受話器置く君に今すぐ電話をしたい 大きければいよいよ豊かなる気分東急ハンズの買物袋 あいみてののちょの心の夕まぐれ君だけがいる風景である 球場に作り出される真昼間を近景…

令和の日常

十三の私が愛したサガンの本朝吹訳は音楽だった 稲沢 家田満理 ハチ公は生誕百年どれほどの人がそこで待ち合わせただろう 京都 中尾素子 それぞれの人のこころにひとひらの花びら散らす桜の古木 船橋 片井俊二 雷門の柱の裾に腰おろし眺め廻すも旧人われは …