藤藪  詩歌管弦 2023

作品ではありません。ノート、備忘録。

万葉集

 

1 あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

                  額田王

2 ひんがしの のにかぎろいの たつみえて かえりみすれば つきかたぶきぬ

                 柿本人麻呂

3 わが背子を 大和へ遣ると さよふけて あかときつゆに われたちぬれし

    大伯皇女  待っているうちに夜がふけて  弟を失った皇女の歌

4 われもはや やすみ児えたり 皆ひとの得かてにすとう やすみこえたり

           結婚相手を得た喜び

5 君待つと わがこいおれば わがやどの すだれうごかし あきのかぜふく

                  額田王

6 春すぎて夏きたるらし白たへの衣干したり天の香具山

                  持統天皇

7 しろかねも くがねもたまも なにせむに まされるたから こにしかめやも

                  山上憶良

8 しるしなき ものをおもわずは ひとつきの にごれるさけを のむべくあるらし

                  大伴旅人

9 きみがいく みちのながてを くりたたね やきほろぼさん あめのひもがも

        さののおとかみおとめ   夫の流刑のときの心情

10 あらたしき としのはじめの はつはるの きょうふるゆきの いやしけよごと

                  大伴家持

11 たびびとの やどりせんのに しもふらば わが子はぐくめ まめのたづむら

             遣唐使随員の母  空を飛ぶ鶴たちよ

12 家にあれば けにもる飯を 草枕旅にしあれば椎の葉に盛る

            有間皇子 捕らえられ護送されている

13 憶良らは いまはまからん こなくらん それその母も わをまつらんそ

                  山上憶良

14 さきもりに いくはたがせと とうひとを みるがともしさ もの思ひもせず

                  防人の妻

15 たらちねの ははがてはなれ かくばかり すべなきことは いまだせなくに

                  作者不詳

16 あきやまの 紅葉を茂み 惑いぬる いもをもとめむ 山路しらずも

                 柿本人麻呂  妻を亡くして

17 わがせこと ふたりみませば いくばくか このふるゆきの うれしからまし

              光明皇后  留守の夫に書き送った歌

18 田子の浦ゆ うちいでてみれば ましろにぞ ふじのたかねに ゆきはふりつつ

                  山部赤人

19 あさかげに わが身はなりぬ たまかざる ほのかにみえて いにしこゆえに

             作者不明  身はやせ細り 恋煩いの歌

 

https://tankanokoto.com/2019/11/manyou20.html を参照しつつ 作業中